◆北島忠雄 七段 ◆関根紀代子 女流六段 ◆島朗 九段


祝辞


北島 忠雄 七段


 日本郵便将棋連盟60周年、誠におめでとうございます。師匠、関根茂九段の後任として、このような歴史と伝統のある将棋の会に関わらせて頂いておりますこと、心から感謝を申し上げます。

 郵便将棋は一手一手、しっかりと読みを入れて対局をしますので、棋力の向上にとても有益だと思います。

本連盟を通じ、皆様が将棋に親しまれ、全国の棋友との交流が益々盛んになりますように祈念致しまして、お祝いの言葉とさせて頂きます。


関根 紀代子 女流六段


 日本郵便将棋連盟60周年、おめでとうございます。

 将棋に夢中になっていた若い頃、第2代会長の清水弘さんと一度だけ郵便将棋を指した経験があります。

雑誌の企画でその後、清水弘さんとは実戦でもう一局対戦があります。

 郵便将棋の実戦会では、東京実戦会(幹事・近藤正章氏…後に第3代会長、木材健保会館)に何度か指導対局に招かれました。区切りとなる全国統一実戦会では、40周年の頃、関根茂九段が連盟の名誉顧問になったこともあり、40周年(湯河原、杉の宿)、50周年(湯河原、杉の宿)、55周年(高野山、普門院、北島七段も参加)と九段と一緒に指導対局で参加し、会員の方々とも楽しく過ごしました。普門院の升田─大山戦の対局場など、今思えば懐かしい記憶が蘇ってきます。

 郵便将棋は、今のいそがしい時代に逆行するようですが、それ故、逆に優雅な落ち着いた楽しみとして、価値観は高くなっているように感じます。時代は巡るといいますので、また郵便将棋が高尚な趣味として社会的に見直される時が来るのではないかと思います。


日本将棋連盟 常務理事

島 朗 九段


 この度は60周年の記念誌発刊、誠におめでとうございます。長い歴史と足跡に敬意を深く思うばかりです。

 こうした時代だからこそ、考えを深め含蓄に富んだ郵便将棋というのは価値があると感じています。私自身もメールより手書きのハガキを好むもので、一言気持ちを添えることのできる伝達として、いささかもその地位は揺るがないのではないでしょうか。

 ソフトに指し手を問う昨今、この価値を共に共有できる棋友がいることは、何より幸せなことと思います。

今後とも、郵便将棋を大切に考える方が増えますよう願い、こうした形の貴重なファンに支えられていることを自分も心にとめていきたいと存じます。編集に携わった方々、全員の皆さまに心よりお慶び申し上げます。