60周年を迎えて

代会長 脇坂哲生


 日本郵便将棋連盟は、平成27年6月をもちまして60周年を迎えました。60周年を迎え、日本郵便将棋連盟初の記念誌を発行する運びとなりました。棋戦通信のバックナンバー等、過去の資料をひもときましたが、先人達の熱い思いをひしひしと感じ続けました。この思いはなかなか伝えきれるものではありません。棋戦通信は、貴重な財産ですので、これを電子的に整理・保存する方法を考えていくのもこれからの仕事の一つではないかと感じました。

 理容業を営んでいた加賀茂氏(昭和33年6月、日本郵便将棋同好会発足時の初代会長)が昭和30年6月に、その頃、ばらばらに郵便将棋を楽しんでいる方々を集い、第1期順位戦を6名で開始して同好会として始まりました。第2期順位戦(昭和31年度)8名、第3期順井戦(昭和32年度)10名でした。仲間が仲間を集い会員が増えはじめ、昭和33年度は、順井戦ABクラス16名で、日本郵便将棋同好会が発足しました。

 会則制定、初期メンバーの加賀氏(会長)、桜井氏(副会長)、松尾氏(幹事長)の役員で、当初は順位戦(3局制)中心の会だったことが分かります。会員は急激に増えはじめ、第7期(昭和37年度)70名、第8期(昭和38年度)104名と100名を突破しました。その後、瞬く間に会員増加、棋戦も拡充し、初期の頃から活発に実戦会も各地で開催されました。隆盛が長い間続き、会の運営にあたった役員・クラス委員・会員のひたむきで献身的な努力が会の原動力になりました。献身的な活躍をされた方々は、棋戦担当・実戦会担当・クラス委員・財政面の担当などを含め名前をあげればきりがありません。会長の4氏(加賀茂理氏、清水弘氏、近藤正章氏、林眞一氏)や、棋戦通信の担当と共に副会長をされた何敦銖氏、高橋正史氏、岡山進氏等は特段の働きをしたといえるでしょう。棋戦通信を振り返ってみると、これらのすべての方々に感謝したい気持ちでいっぱいです。2年前に旅立たれた初代会長の加賀茂理氏もいまだに郵便将棋のことを思って、そばに付き添っていてくれているような感覚があります。

 近年会員数は減ってきていますが、逆に熱心な会員ばかりです。せわしない世の中になっていますが、郵便将棋そのものは、反比例して価値はあがって高尚な存在と感じます。

 

【今後の方針について】

 職団戦をみても、チーム数は平成27年秋はかなり増加の兆しを見せているように思いました。日本将棋連盟の青少年への普及施策が継続的に続いていることが大きな力になっていると感じています。将棋を指す方の数が増えれば、郵便将棋をやろうとする方の確率も増えます。日本郵便将棋連盟もPR活動をこれから更に活発化し、この記念誌やホームページの開設により、広く活動の理解を深めていきたい所存です。また、電子メール棋戦の拡大も視野に入れていますが、郵便将棋そのものも大切にし、現在郵便将棋を楽しんでいる方々がずっと楽しんでいけるようにしながら、会員が増えるようにしていかなければいけないと、記念誌の発行に際して改めて強く感じた次第です。

 

【最後に】

 日頃ご指導を頂いております本連盟顧問の北島忠雄七段、また、前顧問関根茂九段とともに数多くご指導を頂いている関根紀代子女流六段、高尾の郵便将棋道場の師範をしてご指導頂いている日本将棋連盟常務理事の島朗九段よりお祝いの言葉を頂きまして、誠に身の引き締まる思いです。

 本誌発行のために、原稿を頂いた皆様、情報提供をしていただいた方々、お気遣い頂いた会員の皆様、役員の皆様、発行のためにご尽力いただいた三宅幹事長はじめ関連の方々に感謝致します。決して十分といえるものではないかもしれませんが、日本郵便将棋連盟として初めての記念誌を発行することにこぎつけました。皆様に感謝し、お礼を申し上げるとともに、この記念誌や過去の棋戦通信を必要に応じて振り返り、先人の知恵を活かしながら役員や会員の皆様とともに、さらなる会の発展のために努めてまいりたい所存です。